こんにちは、相武台ゆうデンタルクリニックです!
今回は「不正咬合(ふせいこうごう)」という言葉に聞き覚えがあるけれど、具体的にどういう状態なのか分からない…という方に向けて、わかりやすく解説していきます。さらに、最近人気のマウスピース矯正がどのように不正咬合を改善できるのかも詳しくご紹介します。
そもそも「不正咬合」とは?
不正咬合とは、上下の歯の噛み合わせが正しくない状態を指します。本来、歯は上下がピタッと噛み合って、しっかりと食べ物を噛んだり、発音を助けたりする機能を持っています。しかし、不正咬合があるとこれらの機能が損なわれ、見た目だけでなく健康にも悪影響を及ぼすことがあるのです。
不正咬合の主な種類
不正咬合にはいくつかの種類があり、それぞれ原因や症状、治療法が異なります。ここでは代表的な6つのタイプをご紹介します。
1. 上顎前突(じょうがくぜんとつ) – 出っ歯
いわゆる「出っ歯」と呼ばれる状態です。上の前歯が前に大きく突き出しており、口が閉じにくかったり、唇が閉じにくいという症状が見られます。原因には遺伝のほか、指しゃぶりなどの癖も関係します。
影響:
• 見た目が気になる
• 口呼吸になりやすい
• 発音障害のリスク
2. 下顎前突(かがくぜんとつ) – 受け口・しゃくれ
「受け口」とも呼ばれ、下の前歯や下顎が上の前歯や上顎より前に出ている状態です。噛み合わせが逆になる「反対咬合」もこれに含まれます。
影響:
• 食べ物がうまく噛めない
• 発音が不明瞭に
• 顎関節に負担がかかる
3. 開咬(かいこう)
奥歯は噛み合っているのに、前歯が開いていて上下が接触しない状態です。舌で前歯を押す癖や、長期的な指しゃぶり、口呼吸などが原因になります。
影響:
• 発音しづらい(特に「サ行」)
• 前歯で物が噛み切れない
4. 過蓋咬合(かがいこうごう)
上の前歯が下の前歯を深く覆ってしまい、下の歯がほとんど見えない状態です。場合によっては下の歯が上の歯ぐきに当たって痛みを伴うこともあります。
影響:
• 顎関節への負担
• 前歯に過剰な力がかかる
5. 叢生(そうせい) – 八重歯・乱ぐい歯
歯が生えるスペースが足りず、歯並びがでこぼこになる状態です。日本では八重歯が「可愛い」とされることもありますが、機能的には問題があるとされています。
影響:
• 歯磨きがしにくく虫歯・歯周病リスク増
• 噛み合わせにズレが生じる
6. 空隙歯列(くうげきしれつ) – すきっ歯
歯と歯の間にすき間がある状態です。歯の本数が少ない、顎が大きすぎるなどが原因で起こります。
影響:
• 見た目のコンプレックス
• 食べ物が挟まりやすい
不正咬合を放置するとどうなる?
軽度の不正咬合であっても、放っておくと以下のような問題が起こることがあります。
• 虫歯や歯周病のリスク増加
• 顎関節症の発症
• 発音障害
• 噛み合わせによる頭痛や肩こり
• 見た目のコンプレックスが心理的ストレスに
不正咬合は「見た目だけの問題」と思われがちですが、実際には口腔内だけでなく全身の健康にも関係しているのです。
マウスピース矯正とは?どんな不正咬合に効果があるの?
マウスピース矯正は、透明なプラスチック製の矯正装置(アライナー)を使って歯を動かす治療法です。装置が目立ちにくく、取り外しも可能というメリットから、特に大人に人気があります。
◎マウスピース矯正の特徴
• 目立ちにくい(ほとんど見えない)
• 食事や歯磨きの際に取り外せる
• 痛みが少ない
• 金属アレルギーの心配がない
◎対応可能な不正咬合の例
• 軽度~中度の叢生(乱ぐい歯)
• 空隙歯列(すきっ歯)
• 軽度の出っ歯や受け口
• 軽度の開咬
◎マウスピース矯正に向かないケース
• 骨格的な大きなズレがある下顎前突
• 重度の開咬・過蓋咬合
• 奥歯の大幅な移動が必要なケース
このような場合は、ワイヤー矯正や外科的矯正との併用が必要になることがあります。
マウスピース矯正の流れ
ここでは、一般的なマウスピース矯正(インビザラインなど)の治療の流れをご紹介します。
Step 1:カウンセリング・精密検査
まずは歯科医院でカウンセリングを受け、自分の歯並びや噛み合わせの状態を確認してもらいます。写真撮影やレントゲン、口腔内スキャンを用いた精密な検査が行われます。
Step 2:治療計画の作成
得られたデータを元に、3Dシミュレーションで歯の動きを設計。最終的な歯並びを事前に確認できるのもマウスピース矯正の特徴です。
Step 3:アライナーの装着開始
オーダーメイドで作成されたマウスピースを装着し、1~2週間ごとに新しいものに交換します。1日20時間以上の装着が基本です。
Step 4:定期的なチェック
4週間ごとに歯科医師のチェックを受けながら、矯正の進行状況を確認します。必要に応じて計画の修正も行われます。
Step 5:保定期間
歯が理想の位置に動いた後は、後戻りを防ぐためにリテーナー(保定装置)を一定期間使用します。
実際にどのくらいの期間がかかるの?
■ 治療期間の目安
• 軽度な症例:6ヶ月~1年
• 中等度な症例:1年~1年半
• 複雑な症例:2年~
※症状によってはワイヤー矯正より長くかかることもあります。
マウスピース矯正がおすすめな人はこんな人!
• 人前に出る仕事で見た目を気にする人
• 食事や歯磨きに支障が出るのが嫌な人
• 金属アレルギーがある人
• なるべく痛みの少ない方法を選びたい人
まとめ:自分に合った矯正治療を選ぼう
不正咬合にはさまざまな種類があり、それぞれに適した矯正方法があります。マウスピース矯正はメリットの多い治療法ですが、すべての症例に対応できるわけではありません。
まずは信頼できる歯科医院で自分の歯並びの状態をしっかりと診断してもらい、最適な治療法を選択しましょう。
美しい歯並びは、見た目だけでなく心と身体の健康にもつながります。矯正治療で、より良い笑顔を手に入れましょう!
治療前
治療後
診断:叢生
治療内容:インビザラインファースト
期間:約3年
回数:45回前後
費用:50万
副作用:マウスピース着用中の痛みや違和感、発音への影響、一時的な歯の動揺