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歯ぐきの出血・腫れ

私たちの歯は人体で最も硬いエナメル質で覆われていますが、大きな力がかかることで割れたり、ヒビが入ったりします。歯のヒビを放置すると、さまざまなリスクが生じるため、症状に応じた治療が必要です。

ここでは歯にヒビが入ると何が起こるのか、放置するリスクや歯科医院で治療する方法などを座間市の相武台ゆうデンタルクリニックが解説します。

歯ぐきから血が出る・腫れるのはどうして?

炎症反応と血管の変化

歯ぐきには毛細血管が豊富に分布しています。細菌や外的刺激を受けると血管が拡張し、炎症細胞が集まります。このとき血管透過性が高まり、血漿成分が歯ぐきの組織に滲み出すことで腫れが生じます。

免疫細胞の働き

炎症部位では好中球やマクロファージといった免疫細胞が活発に働き、細菌の侵入を防ごうとします。その過程でサイトカインやプロスタグランジンなどの炎症性物質が放出され、血管壁が脆くなります。

その結果、ブラッシングや食事などの軽い刺激でも血管が破れやすくなり、出血につながるのです。

歯肉溝と炎症の関係

歯と歯ぐきの境目には「歯肉溝」と呼ばれる隙間があり、ここはプラークや食片が溜まりやすい部位です。

細菌が繁殖すると局所的に炎症が進み、歯ぐきの腫れや出血が強くなります。歯ぐきの上皮は薄いため、炎症が広がると容易に損傷しやすいのも特徴です。

よくある原因

歯ぐきの出血・腫れの原因としては、主に以下の5つが考えられます。

歯周病

歯周病

歯ぐきの出血や腫れの原因として最も多いのが歯周病です。歯周病はプラーク中の細菌が引き金となり、歯ぐきに慢性的な炎症を引き起こす疾患です。

初期の歯肉炎では出血や腫れが目立ちますが、進行すると歯槽骨の吸収が進み、歯が揺れる原因になります。歯周病による出血は、ブラッシングや食事中の軽い刺激でも起こりやすいのが特徴です。

不適切なブラッシング圧

不適切なブラッシング圧

歯磨きの際に強い力をかけすぎると、歯ぐきに過度の機械的刺激が加わり、微細な損傷が生じて出血や炎症を引き起こします。

特に硬めの歯ブラシを長期間使用した場合、歯肉退縮(歯ぐきが下がる現象)や楔状欠損(歯頸部がえぐれるように削れる病変)につながることもあるため注意が必要です。これらは知覚過敏や根面むし歯のリスクを高める要因です。

親知らずのトラブル

親知らずのトラブル

親知らず(第三大臼歯)は顎に十分なスペースがないことが多く、半埋伏や斜めに萌出するケースがよくみられます。歯ぐきが一部被さった状態では、歯肉弁の下に細菌や食物残渣が滞留しやすく、局所的に炎症が起きやすいのが特徴です。

この状態は「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」と呼ばれ、歯ぐきの強い腫れや出血に加え、顎の痛み、開口障害、発熱などの全身症状を伴うこともあります。

歯根破折

歯根破折

歯根破折は、むし歯で歯質が弱くなった場合や、強い噛み合わせの力・咬合性外傷が加わった場合に発生します。特に根管治療を受けた歯では、歯質の強度が低下しているため破折リスクが高くなります。破折が生じると、歯根周囲に細菌感染が広がり、歯ぐきの腫れや出血、さらには瘻孔(膿の出口)を形成することがあります。

歯根破折の診断にはレントゲンやCTが必要で、症状が進行している場合には抜歯となることも少なくありません。ただし、破折の位置や範囲によっては部分的な保存療法や再植治療などが選択される場合もあり、症例ごとの判断が求められます。

口内炎

口内炎

歯ぐきにできる口内炎は、外的刺激(義歯や矯正装置による摩擦、誤って噛んだ傷)や、全身的要因(栄養不足、ストレス、免疫力低下)が重なって発症します。口内炎は上皮が欠損して潰瘍を形成し、その周囲に強い炎症反応が生じるため、歯ぐきが赤く腫れ、触れると出血しやすい状態になります。特にブラッシングや食事の際に痛みと出血を伴うのが特徴です。

軽度の口内炎であれば数日〜2週間程度で自然に治癒することもありますが、痛みが強い場合にはステロイド軟膏の塗布やレーザー治療などで炎症を緩和します。再発を繰り返す場合には、ビタミン欠乏や自己免疫疾患など全身的な背景が関与している可能性もあるため、精査が必要です。

歯ぐきの出血・腫れを放置するとどうなる?

歯周病由来の歯ぐきからの出血や腫れを軽視して放置すると、病気の重症化を招きます。歯周病は単なる口腔内のトラブルにとどまらず、歯を支える組織全体に炎症を引き起こす慢性疾患です。

特徴的なのは、初期段階では自覚症状が乏しく、気づかないうちに組織破壊が進行してしまう点です。ここでは歯周病の進行過程を医学的視点から掘り下げて解説します。

歯肉炎の段階

歯ぐきのみに炎症がとどまっている状態が「歯肉炎」です。プラーク内に存在するグラム陰性嫌気性菌が歯肉溝に侵入し、そこで産生される内毒素(リポ多糖:LPS)が炎症の引き金となります。

免疫応答によって血管拡張や毛細血管透過性の亢進が起こり、赤く腫れたり、軽いブラッシングで出血しやすくなります。

この段階では歯槽骨や歯根膜への影響はまだなく、適切なプラークコントロールで炎症を可逆的に改善できるのが特徴です。しかし、放置すると炎症が歯周組織の深部へ波及します。

歯周炎への移行

歯周炎は、炎症が歯槽骨や歯根膜にまで及んだ状態です。炎症性サイトカイン(IL-1β、TNF-αなど)が放出されることで破骨細胞が活性化し、歯槽骨の吸収が始まります。

同時に歯周ポケットが形成され、酸素の少ない環境を好む歯周病原菌(Porphyromonas gingivalis など)が増殖しやすくなります。

この段階では歯ぐきの腫れや出血に加え、慢性的な口臭や、噛んだときの違和感、歯のわずかな動揺といった症状が現れることがあります。

歯周炎の重症化

炎症が持続すると歯槽骨の吸収が進行し、歯の支持力が徐々に失われます。噛み合わせに変化が生じ、硬い食べ物をしっかり噛めなくなるほか、歯の動揺が自覚できるようになります。

歯根の露出が増えることで象牙質知覚過敏を引き起こし、冷たい飲み物やブラッシングの際にしみる症状が出やすくなります。さらに、根面むし歯のリスクも高まります。

最終段階:歯の喪失

歯周病の末期では歯槽骨が大きく失われ、歯が著しく動揺し、最終的には自然脱落に至る場合もあります。歯を失うと咀嚼機能が低下し、栄養摂取の偏りや消化不良を招くことがあります。

また、欠損部を放置すれば隣在歯の傾斜や対合歯の挺出を招き、噛み合わせ全体が乱れる原因にもなります。

さらに近年の研究では、歯周病は全身疾患との関連も指摘されています。歯周病菌や炎症性物質が血流に乗って全身を巡ることで、糖尿病の悪化、動脈硬化や心筋梗塞、早産・低体重児出産などに関与する可能性が報告されています。

そのため、口腔内だけでなく全身の健康管理の観点からも、歯ぐきの出血や腫れを放置することは大きなリスクとなります。

歯科医院での治療方法

歯ぐきの出血や腫れが歯周病による場合、自然に治ることはほとんどなく、歯科医院での専門的な治療が必要になります。歯周病の治療は進行度に応じて、以下のように段階的に行われます。

スケーリングとルートプレーニング

初期段階の歯周病では、歯ぐきの炎症の主因である歯石を除去する「スケーリング」が基本となります。歯石は唾液中のカルシウムやリンがプラークに沈着して硬化したもので、ブラッシングでは落とせません。

そのため、超音波スケーラーや手用スケーラーを用いて機械的に除去します。さらに、歯根の表面は歯石の沈着により粗造化しているため、そのままでは細菌が再び付着しやすくなります。

これを滑沢に仕上げて歯周組織の再付着を促す処置が「ルートプレーニング」です。この一連の治療によって、歯ぐきの炎症を抑制し、出血や腫れの改善が期待できます。

歯周外科治療

中等度から重度に進行した場合、歯周ポケットが深くなり、通常のスケーリングでは歯石を完全に除去できなくなります。このようなケースでは「フラップ手術」と呼ばれる歯周外科治療が行われます。

歯ぐきを切開して歯根を直視下で確認し、奥深くに存在する歯石や感染組織を徹底的に取り除きます。

また、歯槽骨の形態を整える「骨整形(オステオプラスティ)」や、歯周ポケットの減少を目的とした「歯肉切除術」などが併用されることもあります。これにより炎症の進行を抑制し、歯槽骨のさらなる吸収を防ぎます。

歯周組織再生療法

歯周病によって失われた組織は、自然には再生しません。しかし近年では「歯周組織再生療法」によって、歯槽骨や歯根膜の回復が期待できるようになってきました。

代表的な方法には「エムドゲイン®」と呼ばれるエナメルマトリックス由来タンパク質を用いた再生療法や、特殊な膜を利用して歯肉と骨の再生速度の違いを調整する「GTR法(組織再生誘導法)」があります。

これらはいずれも科学的根拠に基づいた治療法であり、適応症例では機能的にも審美的にも大きな改善が得られます。

先進治療のブルーラジカル

従来の機械的除去や薬剤に加えて、近年注目されているのが「ブルーラジカルP-01」と呼ばれる光化学的殺菌療法です。

光感受性物質を歯周ポケット内に適用し、特定波長の青色光を照射することで活性酸素(ラジカル)を発生させ、歯周病原細菌を選択的に破壊します。

この方法の特徴は、抗菌スペクトルが広く、薬剤耐性菌にも有効であること、またレーザーのように熱による組織損傷がほとんどない点です。

生体組織への影響が少なく、患者様への負担を軽減しつつ効果的な歯周病治療を実現できるとして臨床応用が広がっています。特に重度歯周病の補助療法として有用性が高いと報告されています。

自宅でできるケアと予防のポイント

歯ぐきの出血や腫れを防ぐには、日常のセルフケアが欠かせません。歯科医院での治療と並行して、自宅で正しいケアを実践することが歯周病の進行予防に大きく役立ちます。

正しいブラッシング

歯磨きは力任せに行うのではなく、毛先を歯と歯ぐきの境目に軽く当てて小刻みに動かす「バス法」がおすすめです。硬すぎる歯ブラシは歯ぐきを傷つけるため、柔らかめ〜普通程度の毛先を選びましょう。

デンタルフロス・歯間ブラシの活用

歯ブラシだけでは歯間部の汚れを十分に落とせません。デンタルフロスや歯間ブラシを取り入れることで、歯周ポケット内や歯の隙間に残ったプラークを効率よく除去できます。

食生活の工夫

糖分の多い食事はプラークの形成を促すため、むし歯や歯周病のリスクを高めます。バランスの取れた食事を心がけ、ビタミンCやカルシウムなど歯ぐきや骨の健康に必要な栄養素を意識的に摂取することが大切です。

規則正しい生活習慣

睡眠不足や喫煙、過度なストレスは免疫力を低下させ、歯ぐきの炎症を悪化させる要因となります。規則正しい生活習慣を意識することが予防につながります。

定期的なセルフチェック

鏡を使って歯ぐきの色や腫れ具合を確認する習慣を持つことで、早期の異常発見が可能になります。異変を感じたら早めに歯科医院に相談することが重要です。

歯ぐきの出血や腫れでお困りの方へ

歯ぐきの出血や腫れで困る

歯ぐきの出血や腫れは、単なる一時的な症状ではなく、歯周病のサインであることが少なくありません。放置すれば歯槽骨の吸収が進み、最終的に歯の喪失につながる恐れもあります。当院ではスケーリングや外科的処置、さらにはブルーラジカルなど最新の治療法で改善が可能です。

ご自宅では正しいブラッシングや生活習慣の見直しを行い、早期発見・早期対応を心がけることが、健康な歯ぐきを守る第一歩となります。

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